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家づくりコラム
2020.10.18
”C値”で確認!住宅の「気密性」はどれくらいが適切?
近年、重要性が認知され始めた
住宅の断熱性と気密性。
性能の高い住宅を求めるので
あれば、断熱性と同時に住宅の
「気密性」についても求める
必要があります。
断熱性と気密性は必ず2つで”セット”
として考え、これらの基準が高ければ
それだけ省エネ性の高い住宅と
言うことができます。
しかし、断熱性には国や組織が定めた
基準があり、断熱の程度を設計値
で確認することが出来ますが、
「気密性」は諸事情により
2012年の改正省エネ基準以降から
削除され、明確な基準が
無いのが現状。
明確な基準が無い「気密性」は、
安易に”高気密”を謳うハウスメーカーに
施工を依頼した結果、
気密測定もされることなく、思うような
結果を得られないという可能性も
あります。
高性能な新築住宅を建てる際、
「気密性」はどれくらいの
値を求めるのが適切なのでしょうか。
(関連記事):住宅内の”十分な換気”
に住宅の「気密性」が大切な理由とは

【住宅の「気密性」とは?】
住宅における「気密性」とは、
住宅に隙間が少なく、住宅をより
密閉した状態にする住宅性能です。
従来の住宅は隙間が多い、まさに
”スカスカ”の状態。
自然な空気の出入り
はありますが、住宅内の熱を逃し、
また遮音性にも乏しく、屋外の
有害物質を簡単に室内に通して
しまいます。
また「気密性」は”そこそこ”、または
”ある程度”あれば良いというものではなく、
住宅をしっかり気密することで
住宅内の熱を逃さず、冷暖房効率や
光熱費削減を可能にします。
【住宅の気密性を示す「C値」】
住宅の断熱性能はUa値・Q値、そして
住宅の気密性能は
「C値(隙間相当面積)」
で表されます。
Ua値とQ値は設計値であり、
住宅建築前に住宅の外皮面積や
床面積を基準に算出されます。
反対に、C値は実測値となっており、
住宅が完成してから特殊な機器で
気密測定を実施し、その値を割り出します。
(関連記事):省エネ住宅の性能を示す!
C値について分かりやすく解説

【参考にしたいC値の目安】
気密性を表す”C値”ですが、
実際にどれくらいの数値が、どれくらいの
隙間を表すかについて解説します。
以下は、C値と隙間の大きさ、
そしてその目安を表しています。
[C値 5.0(cm2/m2)]
2012年省エネ基準以前の寒冷地
を除く気密設定値。5.0は、住宅に
はがき約3枚分の穴が空いているのと
同じ状態。
住宅の熱が逃げてしまうため、
冷暖房効率が悪くなります。
また外気が住宅内に侵入し、
換気を効率よく行うことができません。
しかし、現在建っている日本の家のほとんどが、このレベル
または、このレベル以下です。
[C値 2.0以上4.9以下(cm2/m2)]
壁にはがき1~2枚分以上の穴が空いているのと
同じ状態。隙間が少ない感じがしますが、
住宅の気密性として、快適性を求める
にはまだ低レベル。
[C値 1.0(cm2/m2)]
隙間サイズ 約75㎡
はがきの半分ほどのサイズに相当。
住宅の省エネ性や遮音性の高い
住宅。
[C値 0.5(cm2/m2)以下]
隙間サイズ 約50㎡以下
十分な気密性を持ち、住宅内の
温度や湿度をコントロールできる
レベル。冷暖房で冷やした、または
温めた空気が室内にとどまります。
海外先進国の高性能住宅と
同レベルの性能。

【「気密性」は結局どれくらいが適切?】
住宅の「気密性」は、ある一定の数値を
達成すると省エネが可能になり、また高い遮音性、
室温・湿度のコントロールが可能になります。
そして、特に「気密性」で考慮したいのが、
感染症の関係で重要性が増している
”換気”についてです。
現行の建築基準法では、1時間に
半分の空気が入れ替わることが
換気の条件として定められています。
しかし、隙間が多い住宅では
空気の流れを計画通りに作ることができず、
換気方式にかかわらず
給気・排気効率が悪くなってしまいます。
反対に、風の強い地域では漏気により
室内の空気が勝手に入れ替わり、
室内の熱は同時に失われてしまいます。
現在、省エネ住宅の建築で
各工務店やハウスメーカーが基準
としているのはC値は0.5(cm2/m2)以下。
数値が低ければ低いほど高性能と言える
「気密性」。
この数値を基準とすれば、住宅性能の
あらゆる面で、これまでの住宅を超える
居住快適性を確保できます。

【新築住宅に適切な「気密性」を求めよう】
環境保全や、安全な生活のために
近年ますます求められる住宅性能。
家族との快適で安全な生活を送るためにも、
”断熱性”と「気密性」はセットで考え、
より高い性能を求めるべきと言えます。
C値で表される住宅の「気密性」ですが、
国が明確な基準を定めていない
という現実があります。
快適な暮らしに求められる気密性の
目安は0.5以下。
(計画的な換気を実現するためには必要な性能です)
現場の技術力や知識に左右される
気密性は、建てた後に手直しすることが
できないため、失敗や後悔のないように
施主側も学び、知る必要がある項目です。
新築住宅に適切な「気密性」を求めましょう。