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家づくりコラム

2019.09.03

高断熱高気密住宅で”騒音トラブル”を未然に防ぐ!「音」の性質を知ろう

住宅に暮らすのであれば、閑静で
穏やかに暮らせる環境に住みたい
というのは、誰しもが思うことでは
ないでしょうか。

しかし、せっかくの新居を構えたところで、
近所や周辺を走る幹線道路の「騒音」
が快適性を損なうストレスになってしまう
ケースがあります。

住宅周辺の環境は、居住快適性に
大きな影響を与えます。

その中でも「騒音」は、住民同士の
トラブルの元にもなる要素です。

騒音には

・家の中に入ってくる音
・家から出ていく音

この2つの側面があります。

快適に暮らすために、この「騒音」
についての基礎知識を知っておきましょう。



なぜこんなにも住宅内に「音」が行き来
するのでしょうか?

まず、”防音”について考える上で知って
おきたいことは、騒音は基本的に

「住宅の隙間から出入りする」

ということです。

窓の隙間、給気口や排気口、住宅の歪み
によって生じる隙間など、一般住宅には
”たくさんの隙間”があります。

つまり気密性の低さから、どれだけ防音グッズ
や防音対策をしても、住宅に隙間がある
以上は、音は容易に出入りしてしまいます。

また住宅内の隙間以外にも、住宅の
窓や壁の薄さも音の出入りに関係します。

断熱材の施行にムラがあったり、また
壁自体が薄いような造りの住宅では、
防音対策を行ったところで、薄い壁から
音が出入りしてしまいます。

現在の一般住宅のような、気密性に
乏しく、壁が薄くて断熱もままならない
ような住宅は、「音を簡単に通してしまう
住宅」と言うことができます。



私たちが普段耳にする音には様々な
ものがありますが、

・通常聞こえる「音」
・うるさくて不快な「騒音」

これらの違いを知るには、
音の要素を知ることが役に立ちます。

音の1つ目の要素は、「音の大きさ」です。

音圧または音の強さを表すデジベル(dB)
という単位を見たことがある人も多いのでは
ないでしょうか。

「騒音レベル」として知られているこの
デジベルは、その数値によって以下のような
音に分けられます。

20dB・・・ 木の葉のそよぎ・ささやき声
30dB・・・ 夜の郊外の住宅地
40dB・・・ 静かな音量のラジオ
50dB・・・ 職場や事務室
80dB・・・ 交通量が多い道路
100dB・・・ 線路のガード下
110dB・・・ 自動車のクラクション


なお、環境省が定めている騒音基準には、
このデジベルという単位が使われます。

この騒音基準では、地域ごとに

福祉施設や医療施設が集合している
地域・・・ 
(昼間)50dB以下/(夜間)40dB以下

住宅地・・・ 
(昼間)55dB以下/(夜間)45dB以下

商業/工業地域・・・ 
(昼間)60dB以下/(夜間)50dB以下

という数値が定められており、
これらのレベルを超える音については「騒音」
と判断される可能性が高い
と言えます。



2つ目の音の要素として、この騒音レベルに
加えて、高音・中音・低音の「音域」の
要素が加わります。

低音の20Hzから、高音の20,000Hzまでの
音を聞き分ける人間の耳ですが、特に
高音の音は小さくても聞こえやすく、
また低音の音圧が上がれば、人間の
耳は大きな音に感じてしまいます。

なお、人間の耳は加齢によって高音が
聞こえにくくなる傾向があり、また
大きな音の中に居続けると音が聞こえ
にくくなる”難聴”には、この音域の要素
も原因となります。

そして3つ目は「音色」です。

例えば、ピアノと管楽器、弦楽器と
打楽器の音が違うように、日常生活
には、様々な音が溢れています。

音によって美的に感じることもあれば、
明るさや暗さ、迫力があるなど、
基本的に音色の種類は分かれますが、
感じ方は人それぞれです。

音を1つとっても、あらゆる種類の音
があり、これらが場合によって「騒音」
という位置づけになってしまうのです。



住宅における「騒音」によるトラブルは
最も多い要因のひとつと言われています。

日常生活を営む中で、大きな音が
出てしまう場面や、子供やペットが
大きな音を立ててしまう場面があるのは
仕方のないことですが、「騒音」の出入り
は可能な限り抑えたいものです。

「音」は、

・騒音レベル
・音域
・音色

この3つの要素で成り立っており、
特に”音域”や”音色”は人によって
感じ方が違うものになります。

何においても、まずは出入りする
騒音に対して、”騒音レベル”を
下げる工夫をすることが対策といえます。

対策が難しく、一筋縄ではいかない
「騒音」ですが、高断熱で高気密な
住宅の造りであれば、騒音に関する
心配はすべてなくなります。

音の性質を知り、「防音」に役立てましょう。