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家づくりコラム

2022.04.11

「断熱等級6・7」新設は10月から。戸建て住宅の”断熱仕様モデル”をチェック

省エネと暖かく健康な暮らし、そして
補助金や助成金、税制優遇
という
観点からも以前より注目を集めている
住宅性能


新築住宅を計画する家庭では、断熱
等級をどのレベルまで高めれば良いのか
迷いが出てしまう場合もあるのでは
ないでしょうか。

これまで最高等級とされてきた等級4は、
最高等級にもかかわらず快適性や
省エネ性など、あらゆる面で”普通レベル”と
表現されることが多い等級
です。

結論から言えば、本当に暖かい上に、
光熱費などのランニングコストを削減し、
なおかつ家族の健康など、将来の暮らしを
を考えるなら、断熱等級は新設される
最高レベルを目指すのが適当
でしょう。

現在の最高等級4、そして今後新設となる
「断熱等級6・7」の一戸建て住宅における
仕様モデルはどのようになっているのでしょうか。

新設の断熱等級の施行時期をはじめ、
Ua値による違い、断熱等級それぞれの
仕様モデルについて確認しておきましょう。

(関連記事):「省エネ住宅」は誤解が
多い?身に着けたい”住まいへの新しい価値感”




【「断熱等級6・7」の施行は10月から】

昨年末ごろから検討されてきた、
等級4を上回る新しい断熱等級は
2022年10月から施行となる見通しです。

新建ハウジングによると、国土交通省と
消費者庁は3月25日、住宅の品質確保の
促進等に関する法律(品確法)に基づく
日本住宅性能表示基準の一部改正を官報
に告示。

新設の断熱等級6・7は10月1日より施行
となるようです。

ZEH等級を上回る等級として提示された
断熱等級6・7ですが、その省エネ性は
どれほどのものなのでしょうか。

(出典):新建ハウジング
「10月から断熱等級6・7がスタート」


【Ua値はどれくらい?「断熱等級6・7」水準案】

現行の断熱等級1~4における、建物の
断熱性能の指針となる外皮平均熱還流率は、
以下のように設定されています。

〇香川県(地域6)Ua値

等級2(昭和55年基準)・・・1.67
等級3(平成4年基準)・・・1.54
等級4(省エネ基準)・・・0.87


続いて、新設の断熱等級における
外皮平均熱貫流率は、民間基準となる
Heat20を参考に、以下のようになります。

等級5・・・0.60
等級6・・・0.46
等級7・・・0.26


なお新設の等級6・7では、暖冷房で
使用する一次エネルギー消費量は、
概ね30%~40%の削減を目安として
設定されています。

数値から、各専門家が普通レベルと考える
等級4の熱還流率と、新設の数値とで
いかに差が生まれるかが分かります。



【「断熱等級」それぞれの仕様モデルをチェック】

また国交省によると、一戸建て住宅に
おける6地域の断熱仕様のモデル案は、
以下のように考えられています。

・等級4

天井・・・高性能グラスウール16K 155mm

外壁・・・高性能グラスウール16K 85mm

床・・・高性能グラスウール16K 105mm

窓・・・アルミ樹脂複合サッシ/透明複層ガラス

・等級5案

天井・・・吹き込み用グラスウール18K 210mm

外壁・・・高性能グラスウール16K 105mm

床・・・内側/高性能グラスウール24K 42mm
        外側/高性能グラスウール24K 80mm

窓・・・アルミ樹脂複合サッシ/Low-e複層ガラス

・等級6案

天井・・・吹き込み用グラスウール18K 270mm

外壁・・・内側/高性能グラスウール16K 105mm
          外側/押出法ポリスチレンフォーム3種 25mm

床・・・押出法ポリスチレンフォーム3種 95mm

窓・・・樹脂製サッシ/Low-e複層ガラス



・等級7

天井・・・高性能グラスウール20K 210mm

外壁・・・内側/高性能グラスウール20K 105mm
          外側/フェノールフォーム 100mm

床・・・内側/フェノールフォーム 100mm
        外側/フェノールフォーム 100mm

窓・・・樹脂製サッシ/ダブルLow-e三層複層ガラス


モデルでは等級ごとに使用される断熱材の
種類とその厚み、そして窓の性能の違いが
特徴的となっており、また新設の等級では
外皮の内外の断熱施工が行われます。

(出典):国交省
住宅の品質確保の促進等に関する法律に
基づく住宅性能表示制度における
ZEH水準を上回る等級について


【断熱等級に合わせて気密性能も確認】

新築住宅を計画している家庭が目指したい
新設の断熱等級。

しかし、真冬にダウンジャケットを
来ていても、ジッパーが開いていれば
寒いのと同じように、断熱性能は住宅に
気密性能が無ければその効果を発揮しません。


残念ながら、住宅の気密性能については
基準が設けられていませんが、
新設の断熱等級に合わせて相当隙間面積
(C値)0.5以下を目安
に断熱性・気密性を
確保しましょう。


(関連記事):”日本の住宅寿命が短い”
言われている理由とは




【快適な暮らしのために、新しい断熱等級を目指そう】

省エネと暖かい快適な暮らしの
ために注目を集める住宅の断熱性
ですが、2022年10月からは新しく
等級6・7が登場
します。

政府は今後さらに断熱性の高い
高性能な住宅の建築を見据えており、
住宅性能に合わせて新築住宅の補助金や
助成金の内容、フラット35の新しいプラン
設立、住宅ローン利用要件なども変更に
なる見通しとなっています。


さらに求められる高性能な住宅ですが、
本当に暖かい住宅を建てる上では
新設の断熱等級について知ることが
一番の近道
ではないでしょうか。

快適な暮らしのために、新しい断熱等級を
目指しましょう。